信じられないかもしれませんが、次のエピソードを読んで下さい。以前、私が指導していた生徒さんで、地元私立高校の交換留学制度を利用して、一年間カナダへ留学した子がいました。帰国後英語を続けたいとのことで、私のところへ問い合わせの電話がありました。私はわくわくしました。帰国後英語を続けたいというのは、今後英検準一級を目指すのかな?とふと想像しました。しかし、初回のレッスンで、おぞましい英語力にショックを受けました。英検は準二級も不合格で、二級も夢のような話。最初のレッスンで気づいたのは、3単現のSをつけることさえもできないことでした。主語と動詞が全く一致しないのです。
はっきりしたことは、彼女は何の準備もせずに現地へ行ったということです。中学文法の基礎もきっと怪しい状態だったことは間違いありません。本人に聞くと、「帰国後英語を忘れてしまいました。だって話す機会がないから。」と言いました。そもそも英語を話す土台もないのだから、何となく分かったつもりでも忘れるのは当然です。
これは極端な例かもしれません。しかし、多くの日本人の生徒さんが同じような経験をしています。海外へ(語学)留学するものの、満足な英語力を獲得できない。冷静に分析すると留学経験のない方のTOEICの点数と比較してもほとんど変わらない。それではキャリアアップにもつながりません。これは非常にショックなことだと思います。貴重な時間とお金は一体何だったのでしょうか。
留学失敗の原因は多くの場合、留学前の準備、学習不足です。語学留学するのであれば、英検二級レベル以上の語学力がないと、費用対効果は非常に悪いです。というか意味がないと言っても過言ではないでしょう。なぜなら、現地のレッスンは全て英語で行われるわけですから、文法にしても英語の説明が理解できるだけの語学力が当然備わっていなければなりません。そのレベルというのが実は英検二級レベルなのです。これは努力すれば日本国内での学習だけで十分取得できる範囲です。これ以下のレベルにおいては、バイリンガルの日本人について日本語の説明を交えながら学習するのが遥かに効果的です。ちなみに私はケンブリッジ英検の最上級であるPROFICIENCYを一年のイギリス留学で取得することができました。渡英前から英語の準備にきちんと取り組んだからに他なりません。
留学業者はこのようなカウンセリングはしないと思います。なぜなら、今述べてきたことは「不都合な真実」だからに他なりません。英検二級レベルなんて言っていたら売上なんて上がりませんから。私は留学希望の方には、耳が痛いかもしれませんが、正直にカウンセリングします。そして、なるべく英検二級レベルまで英語力を高めるように指導します。留学希望される方、是非ご相談下さい。あなたの貴重なお金と時間が無駄にならないよう最善の方法をアドバイスします。
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