ミスタービーンの毒舌日記


カタカナプリント

投稿日時:2013/12/07 06:32


金沢市内の某中学の生徒さんに、英語の授業で配布されているプリントを見せてもらって、ショックを受けました。なんと教科書の本文の読みがカタカナで表記されているのです!その子は小学校から私は指導していて、フォニックスのルールに基づいて簡単な英単語は自力で読めるようになっていたのに、中学校入学後はそのおぞましいプリントのおかげで、発音は悪くなり成績もかんばしくありません。

頭にきて、金沢市教育委員会の英語指導主事の方に連絡しました。回答は、「そのようなプリントを配ることはもちろん認めていない」という明解なものでした。学校巡回する際に、そのようなプリントが出回っていないかどうか、チェックするとのことでした。

金沢市は英語教育特区を取っていて、全国に先駆けて小学校の英語教育に取り組んできました。でも、私の感覚としてその成果は上がっていません。なぜでしょうか。それは小学校段階で、フォニックスを採用した、体系的読み書きの訓練が欠如しているからです。正直現場で行われていることは、「英会話ごっこ」の域を出ないものです。英語で金沢について語るようにする、と言えば聞こえは良いですが、そもそも語る言語材料に乏しい学習者にそんなことを求めるのは酷です。まさに絵にかいた餅です。

カタカナプリントがどのくらい現場で広まっているか分かりませんが、少なくとも小学校で貴重な時間を英語に割くのであれば、そんなプリントが必要ないはずです。ないと指導できないほど生徒の学力が低下しているのだとしたら、小学校の英語教育は間違いであることを認め、すぐに止めるべきでしょう。先生がカタカナプリントを配るなんて昔はありませんでした。英語教育は昔より悪くなっているのでは?と思わざるをえません。


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